好きだから覚えられて、嫌いだから覚えられないのか?というお話
先日、中1生の塾生Aさんと定期テスト対策について話してたときの一場面。
「Aさんは社会のテスト勉強で、覚えるのに時間がかかるよね。なんでだと思う?」
「えっと……興味が無いから?」
若干語尾が上がる、遠慮まじりには答えてくれましたが、Aさんは「興味が無いから覚えられない」のだと確信していたと思います。
「興味が無いから、または嫌い・苦手だから覚えられない」とは、子ども・大人を問わず、よく聞く話ですね。でも、コレは本当に本当なのでしょうか?
結論から言えば、半分正解です。興味が無いもの・嫌いなものは、覚えられません。
ただ、興味が無いこと・嫌いであることが原因で覚えられないわけではありません。
正確に言うと、興味が無いもの・嫌いなものは、覚えるための行動をとらないから、覚えられないのです。
覚えるための行動とは、インプットとアウトプットです。勿論、アウトプットが多めです。
興味があるもの・好きなものについては、無意識のうちでも大量のインプット・アウトプットを繰り返しています。
例えば、恐竜好きの男の子は、恐竜図鑑を見て、その内容を絵に描いたり、家族や友達に話したり、それらを繰り返して繰り返して、恐竜に詳しくなっていきます。恐竜でなくてもアニメやアイドルについても同じです。興味があるから・好きだから、見たいし聞きたいし、思い出したいし、誰かに話したいんです。
しかし、興味が無い・嫌いなものに対して「インプットとアウトプットの繰り返し」は無意識の下では起きえないでしょう。だから「興味が無いものは覚えにくい」と感じてしまうのです。
では、いわゆる“勉強のできる人”は、必ず勉強に興味があるのか、勉強が好きなのでしょうか?
答えはもちろんNOです。
かく言う私も、学校の勉強は好きか?と聞かれて、MAXの笑顔でYES!!とは答えません(笑)
食べ物に限らず趣味嗜好においてかなりの偏食であるため、おそらく塾生の皆さんよりも、ひどく多くの「興味ないから覚えられんて!」の経験をしてきた自信があります。
勉強でも何でも、興味があろうと無かろうと「覚えるための行動」と「覚える仕組み」は同じです。また、覚えるために必要な行動量も同じだと私は考えています。興味がある・好きである場合にだけ、その感情のおかげで“行動量が美化”されているだけだと思っています。
例えば、運転免許を試験に合格して取得した大人たち全員が、道交法に興味があったのでしょうか?
英語好きな中学生と英語嫌いな中学生が同時に英検3級に合格したとき、合格日までに2人が費やした労力の総数に違いはあったのでしょうか?
興味関心があるから覚えやすいのではなく、興味関心があるから行動量が多いだけのことです。
通常の塾でも夏季講習のどこかの時間でもお話したように、「できるかどうかではなく、やるか・やらないか」であって、「能力不足に逃げるのではなく、努力不足を疑う」ことが、スポーツではない勉強をする上では、とても大事なことです。
学校の勉強・テストとは、「自己責任で考えられる・処理できる方が、実は楽である」ということを学べる機会でもあると、私は思っています。
最後まで目を通して頂き、ありがとうございました
来週も宜しくお願い致します!