「ガチで草」という、難易度の高い日本語[公式LINE2024.03.02]

「ガチで草」という、難易度の高い日本語

突然ですが、私はYouTubeの動画をよく見ます(笑)
お笑いやアニメや映画などなど…昨今の“映像によるエンタメ”はこれで十分だなと思ってしまいます。
昭和と平成ではエンタメの定番であり帝王とも言えた「テレビ」も、自分の部屋ではスイッチを入れるのは木曜の夜中と日曜の夜だけです。

そんな令和のエンタメの帝王YouTubeですが、動画を見る以外にもう1つ、個人的な楽しみ方があります。

それが「コメント欄」です。視聴者から動画に対して贈られているコメントに、ダーッと目を通していくんです(笑)
それで何をしているかといえば、真新しい又は珍しい言葉や言葉遣い、さらには「え?今はそれで伝わるの?」と思える言葉や言葉遣いを探しているんです(笑)
10年くらい前の映画『舟を編む』でいう「用例採集」ってやつです。『舟を編む』はアニメ化も連続ドラマ化もしていますね。

大学生の頃でしょうか。「言語は、ゆっくりと、しかし確実に進化している」と聞いた覚えがあります。

確かに、英語学習において、小学英語ではわざわざ苗字と名前を入れかえる必要はなくなったし、「My name is~.」のフレーズはほぼ使わなくなりました。中学・高校英語においても、getの過去分詞はgotでも良くなったし、目的格の関係代名詞whomは消滅したんか?と思えるぐらい教材から見かけなくなりました。このように「言語は結合と消滅を続け、現役世代と新しい世代が使いやすいように簡略化されていくもの」だそうです。日本語でも「ら抜き言葉」「助詞の省略」など言葉の簡略化と、その常態化は頻繁に見られます。

しかしそれとは別の「進化」も見られます。

私がYouTubeのコメント欄で言葉探しをするきっかけになったのが「草」との出会いです。「マジで草」「それは草生える」「いや、くさ」…はじめてこの言葉遣いを見聞きした数年前、日本人なのに日本語にカルチャーショックを受けました。

簡略化と言えば、そうなのかもしれません。「それは笑える」を「それは草」と言えば、2文字分短くなってますし(笑)

しかし、ある一定の層にしか伝わらないという側面で言えば、「草」は言葉の簡略化ではなく、ただのスラングです。
「草」の登場以前も、「チョベリバ」「チョーMM」など、私が覚えている限りで「それ(は)どういう意味?」と聞き返さないと分からないスラングはたくさん生まれ、いつの間にか消滅していきました。しかし、ただ消滅するのではなく、言葉の使い方を刷新し、受け継がせてから、消滅していくようです。だから後に絶えることなく「リア充」「KY」といった言葉は生まれ続け、一定の層をポカンとさせます。

「草」のほかにも、「マジ」と比べてどう違うのか分からない「ガチ」だったり、「ヤバい」の上位互換っぽい「エグい」だったりと、まだまだこちらをポカンとさせるような言葉の横行は続きます(笑)
ゆえに「アラフォー」である私の用例採集もまだまだ加速させなければなりません(笑)

そんな私が回す弊塾だからこそ、塾生たちには「友達界隈でしか通じていないようなスラングを別の言葉で言い換えられる知識」をしっかり詰め込んでいって欲しいと思います!

最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!
来週も宜しくお願い致します!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です