どうして文法名を覚えてないの?英語の成績が伸びない・伸び悩む生徒がもつ共通点のお話
先日、アニメ『BLEACH』を見ていると、こんなシーンがありました。
※以下、かなりザックリな説明(笑)
自分の「名前」を奪われ、新しく「黒蟻」という名前を与えられ、簡単に潰せる蟻のように弱くなってしまう…
「名前」とは、人・物の「存在証明」であり、どのような存在であるかを表す、とても重要なものです。私たちは名前を覚えているから、その存在を覚え、その存在を思い出すことができます。特に人間関係では分かりやすく、あまり会わないのにフルネームを覚えている人物と、よく会うのに苗字だけをうろ覚えの人物とでは、前者の方が生活圏での重要度は高いはずです。学生時代、好きな人のフルネームなんて、秒で覚えられたはずです(笑)
「名前」を覚えることは、その「存在」を覚えることに同じで、勉強の中でも最も大事な行動です。
・・・という話をすれば、先に思い付くのが理科と社会の重要語句を覚えることでしょうか。被子植物や裸子植物、国民審査や国民投票など。理科と社会では名前を覚えることが大事というより、勉強のメインがそれです。
しかし、英語についてはどうでしょう。英単語は覚えるべき対象としても、「文法名」や「品詞名」を覚えるべき対象としている中学生・高校生はどれだけいるでしょう。
私の体感ですが、現中1生でam・is・areを「be動詞」、speak・study・stopを「一般動詞」という名前で呼べるのは、全体の半数かそれ未満です。現中2生でDose he speak English?(中1内容)で使われている文法名を「三人称単数現在形」とフルネームで答えられるのも全体の半数かそれ未満で、「doesが“助動詞”だからspeakが“動詞”の“原形”になっている」と文法の説明ができる現中3生も半数かそれ未満です。
毎年のことですが、中1のうちに名詞・動詞・形容詞・副詞という4つの重要な品詞名とそのはたらきを確実に覚えさせていないのに、中2で「不定詞」の「名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法」の説明があります。
正直、理解できるはずがありません。だから「不定詞は、~すること・~するための・~するためにと訳せるもの」という中途半端な理解に留まり、仕舞には単語の並べ替え問題や長文読解に時間がかかる、または解けないのです。
大学入試を目指す高校英語になれば、文法名・品詞名が分からなければ、長文読解への太刀打ち不可です。英単語の意味が分かってれば読解はできると勘違いしている学生も一定数いますが、得点は早いところで頭打ちします。
英語の成績に悩む学生の共通点の1つは、文法名・品詞名の重要性に気付けていないことです。
英語の学習において、文法名・品詞名はそれらのはたらきや使い方を表すものであり、知識整理のための重要な“ラベル”なのです。ラベルの貼られていない引き出しからは、必要なモノを必要な時に取り出すのに大変苦労します。
英語の学習なのだから、英語さえ読めて書ければ良いはド正論です。しかし、言語のもつルールを効率よく解釈して、効率よく読み書きできるように研究されたのが、教材に載る文法と品詞であることを忘れてはいけません。
最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!
来週も宜しくお願い致します!