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回転寿司店での少年の迷惑行為に思うこと
世間を騒がせているのか、それとも僕のスマホに流れてくる情報内だけで騒いでいるのか判断しかねますが、最近そこそこ考えを巡らせているニュースが「回転寿司店での少年の迷惑行為」です。
ニュースで知れただけの事の経緯は、
《その1》回転寿司店の店内で少年が醤油さしの注ぎ口を直接舐め定位置に戻す・未使用の湯飲みを舐め回し定位置に戻してしまう・回っている寿司を、舐めた指で撫でてしまう。
《その2》その模様を撮影した動画を本人かその友人かがSNSに投稿してしまう。
《その3》あれよあれよとネット上で拡散し、“炎上”。地上波のニュースでも取り上げられる。
《その4》店側(運営会社)は刑事・民事の双方で対処するとして警察に被害届を提出し、受理される。
《その5》少年とその保護者は店側に謝罪に行ったが、店側は被害届を取り下げる予定は無いとした。
かなりの問題行為(…というか犯罪行為)ですが、回転寿司店に行ったことがある人間なら誰でも思い付くような幼稚かつ陳腐で愚かな行為ゆえに、この少年はその行為の“先駆者”ではないでしょう。おそらく氷山の一角…いえ一粒で、似たような行為を「イタズラ」として行ってきた人たちはこれまでにも沢山いたはずです。
日本には、人々の「信用」に基づいた便利な設備や文化が多く存在します。
例えば、コンビニのATM や自動販売機。それなりの量の現金を貯め込んだ機材にもかかわらず、人の移動が少ない夜中にも“放置”されています。それらの機材をその瞬間守っているのは警備会社のロゴが入ったステッカーだけです。それでも今日まで変わらず稼働していられるのは、多くの日本人が、性善説に加えて、「悪いことをしてはいけないと皆が教育され、理解している」ということに大きな「信用」を置いているからです。
無人の野菜販売所も公園や道の駅の公衆トイレも、同じように「人を信用する」ことで成立しています。
そして回転寿司という日本独自の文化も同様です。
例えどんなに幼稚かつ陳腐で愚かなイタズラや迷惑行為(犯罪行為)を思い付いたとしても、自分自身の人としての在り方を重んじ、他者の人としての在り方を信用し同一視することで、「売り物とかお店の物にイタズラなんか普通しないよね?」とモラルやマナー、常識や社会通念と呼ばれる目隠しや耳栓で情報を遮断し「そんな人間はいない」と考えてきたはずです。
だからこそ、今回のニュースは凶悪犯罪を見るがごとくショッキングで、許せないと心から怒る人が多いのでしょう。ちなみに僕もその1人です。
動画の拡散という日本中の目隠しと耳栓を剥ぎとった出来事は、人の人への信用を失わせ、昔から続く1つの文化を崩壊・消滅に近付けた言っても過言ではありません。
一度失った信用を取り戻すのは、不可能に近いくらい、難しいことです。よって、一度崩壊した文化がもとに戻ることは殆どありません。回転寿司店の在り方は今後少しずつ変わっていくことでしょう。
今回の回転寿司店での迷惑行為(犯罪行為)を知ることによって、反面教師的にも、自分がどんな社会の中で、どんな文化に触れながら生きているのか、改めて痛感させられました。
最後まで目を通して頂きありがとうございました!
来週も宜しくお願い致します!