高校生の課題を準備していたら「少なくとも解説は読めるようになった方が良い」と思ったお話[公式LINE2024.08.03]

高校生の課題を準備していたら「少なくとも解説は読めるようになった方が良い」と思ったお話

ゆっくりと、しかし確実に、夏季講習の日数が消化されております。全25日だった中3生の日程は残り14日となりました。10月の共通テストに向けて頭に叩き込んで欲しい知識や解き方、解いてもらいたい問題がまだまだ沢山あります…。
その日の吸収具合や進捗具合を観察しながらカレンダーと睨めっこをし、授業内容を組み替え、時間は有限であることを痛感してしまうのも、夏季講習あるあるです。

さて。中学生と同様に高校生にも夏用の課題を出しており、それを準備する中で改めて思ったことがります。それは「読み物が非常に多い」ということです。
そもそも大学入試を目指す高校生のための教材は「講義や解説文」にかなりのボリュームがあります。例えば、全教科必須の、ちゃんとした入門系の参考書の中身は、ほとんどが講義と解説文です。それは「読書の時間にも使えるのでは?」と思えるくらいの文字の量です。
ちなみに入門系の参考書の中には、図やイラストを用いて見やすくしてくれているものもありますが、情報量は変わらないので、「図鑑かよ」と思える分厚さに仕上がっています。
そして入門系のあとに進めるべき基礎系の参考書でも、暗記系のドリル以外は、少なくても中身の半分は講義と解説文の「読み物」です。「いつも受験生のそばに」がキャッチコピーの赤本でも、解説のページ数は問題編のページ数の約2倍~3倍です。
高校生の勉強とは、大量の文字数の解説文に目が通せないと、はじまらないものなのです。

今年の夏季講習の中3生の課題カリキュラムに次のことを載せています。
「全教科について、成績の低い中高生の大きな特徴の1つに、解説を読まないという傾向が見られる」
なので解説を熟読する習慣をつけよ!というメッセージです。
解説の熟読は、特に[国語]の勉強において非常に大事なことです。小論文・作文問題以外で、国語の問題を解ける(得点を取れる)ようになるコツは「いかに主観を潰せるか」です。例えば、筆者の主張を選択肢から選ぶ問題において「本文を読むに、筆者はこう考えていると“私は思う”から…選択肢 ア!」なんて答え方は以ての外です。国語の成績が伸び悩む学生のほとんどが、国語の問題を“主観”で解いています。
かなりザックリと、国語の問題の解き方の基本を言えば、本文中から「正解探し・証拠探し」をすることです。主観は必要ありません。必要なのは「言葉の正しい使い方」です。国語の解説にはそれらは勿論、本文の構成、注意すべき接続詞、言葉の言い換えなど、「正解探し・証拠探し」のための「主観の潰し方」がちゃんと書いてあります。
国語には国語の読み方・解き方があるのです。だから『東京タワー』の著者・リリーフランキーさんは自身の作品が高校教材の問題として出題されても、うまく解けなかった(らしい)のです。

解説の熟読は、問題を解くことや粘り強く長考することよりも、はるかに大事です。知識と考え方の調達と修正だからです。受験生に限らず全ての塾生・講習生がこの夏季講習を機に、解説をただの答え合わせの道具で終わらせず、熟読すべきものとし、熟読を習慣にしてほしいと思っています!

最後まで目を通して頂き、ありがとうございました。
来週も宜しくお願い致します!

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